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明日の株式相場戦略=投資マネーに“台風シフト”の動き  9月02日17時28分

 きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均が反発に転じたが上げ幅は100円あまりにとどまり、東証1部の売買代金も2兆円に届かず、どちらかと言えば引き続き様子見ムードを引きずる地合いだった。日経平均とNYダウの年初からのチャートを比較すると株価水準はともかく、トレンドは非常に酷似している。米国ではナスダック総合指数は6月中旬から過去最高値圏を突き進んでいるが、オールドエコノミーは日米ともに歩みが遅い。最近はS&P500指数も最高値圏をナスダックと併走しているが、基本的にハイテクセクター、特にデジタルトランスフォーメーション(DX)の先頭集団が投資マネーを誘引している。

 しかし、ナスダック総合指数に引けを取らない元気印のマーケットが日本にも存在する。それが東証マザーズで、「1日信用取引などを活用する個人投資家の視線は大方こちらに向いている」(国内ネット証券大手)という。きょうのマザーズ指数は一時1183.12まで買われ、後場後半に大口の売りが出て上げ幅を縮小したが終値でも1172.95と年初来高値を更新した。時価は2018年4月以来約2年5カ月ぶりの高値圏に浮上している。

 そのなかでマザーズ上場が大半を占める直近IPO銘柄は、モメンタム相場の極致ともいえ、急騰銘柄が相次ぐ。PERやPBRなどの伝統的株価指標はハナから度外視なのは今さら言うまでもないが、とにかく荒い。ティアンドエス<4055.T>などは朝方寄り後早々に1700円近いギャップアップをみせたが、そこが今日の天井であった。終盤は値を崩し取引終了間際に2700円安まで売り込まれるという激し過ぎる攻防。このトレードで鍛えられるとすれば相場観ではなく反射神経だ。

 市場では今の相場環境が99年から2000年にかけてのITバブルと似ているという声もある。当時はPERでは説明がつかなくなり、売上高を基準に考えるPSRが持ち出され、株価上昇を妥当化する風潮はあったが、結局それは崩壊の序曲だった。金融危機・通貨危機を抑えようとした巨額の資金供給が局地バブルを生んだわけだが、今回もコロナ恐慌が生んだ金融緩和が、いうなればDXバブルを生んでいる。新型コロナ感染拡大の渦中にあって、世界の株式時価総額は過去最高を記録した。ただITバブルの時は、皆がそれがバブルであることを否定していたが、現在の状況はバブルに片足を突っ込んでいることに投資家が気づいている点が違う。世界の中央銀行に過剰流動性の蛇口をしめる気配は今のところない。しかし、「赤信号、皆で渡れば怖くない」という状況はどこかで通用しなくなるタイミングは来る。

 個別では台風シーズンの到来で国土強靱化関連の一角に物色の矛先が向いている。DXバブルの流れは中勢的なトレンドであり一朝一夕に変わるものではないが、常に上値を追い続ける銘柄というものも存在しない。底上げ相場というのは、いわゆる循環物色の総称といってよく、今のタイミングであれば建設周辺の銘柄に上昇気流が発生しやすい。きょうはFCホールディングス<6542.T>が急動意、長大<9624.T>、若築建設<1888.T>、ヤマウ<5284.T>、麻生フオームクリート<1730.T>などが値を飛ばした。

 国土強靱化関連でここから注目しておきたい銘柄としては、測量土木の大手アジア航測<9233.T>や建設ICTの専門企業であるシーティーエス<4345.T>、地質調査トップで建設コンサルも展開する応用地質<9755.T>、区画整理、地理情報などを強みとするオオバ<9765.T>などが挙げられる。更に低位株ではエスイー<3423.T>が動兆しきりで、きょうは高値引けで300円に乗せてきた。建設用資材や機材を販売、SEEE工法の施工で実績が高く、落橋防止用装置では業界首位に位置している。

 このほか、王道というべきクラウドやAI、ITソリューション周辺の銘柄ではイード<6038.T>、ホットリンク<3680.T>などをマークしておきたい。なお、両銘柄ともマザーズ銘柄である。また、5G関連では双信電機<6938.T>の値動きが軽くなっており、仕切り直しの気配が漂う。

 日程面では、あすは国内では目立ったイベントはないが、30年物国債の入札が予定されている。海外では、7月の豪貿易収支、8月の財新非製造業PMI、7月のユーロ圏小売売上高、7月の米貿易収支、8月のISM非製造業景況感指数など。
(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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