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ウェルスマネジ Research Memo(5):不動産金融事業が好業績をけん引  9月10日16時15分

■業績動向

2. セグメント別概況
同社グループでは、不動産金融事業とホテル運営事業の2つのセグメントに分類しているが、2020年3月期も引き続き不動産金融事業がウェルス・マネジメント<3772>収益のけん引役となった。

同社では、不動産金融事業の売上高・利益については、2019年3月期は不動産信託受益権の譲渡による特別利益を、また2020年3月期は持分法による投資利益を加算修正して、同事業の実質的な収益を捉えている。その結果、2020年3月期は、不動産信託受益権の譲渡損益、受託資産の積み上がり、持分法による投資利益等が寄与し、売上高は10,532百万円(前期比118.3%増)、営業利益も4,701百万円(同11.1%増)の大幅な増収増益を記録した。

一方、ホテル運営事業では、2018年11月に開業した「イビス大阪梅田」が年度を通して売上に寄与したこと、さらに2019年4月に「京都悠洛ホテルMギャラリー」を開業したことなどにより、売上高は4,807百万円(前期比148.8%増)の大幅増収となった。しかし、2020年3月期第4四半期に入って新型コロナウイルスによる影響を大きく受け、通期では268百万円の営業損失(前期は79百万円の損失)となった。同事業の収益改善がグループの大きな課題と言えるだろう。ホテル運営事業では開業資金の負担が大きく、黒字化には時間を要する。同社グループでは、現在運営中の3件に加えて、2021年には3件、2022年には2件の開業を予定している。そこで、今後は同社が開業資金を負担することで、同事業の黒字化を図る方針である。


収益性が極めて高く、財務の健全性も維持
3. 財務状況と経営指標
財務状況を見ると、2020年3月期には、持分法適用関連会社が保有していた京都悠洛ホテルMギャラリーを連結化したことにより、資産・負債が大きく増加した。資産合計は、前期末比2.2倍に拡大し、同13,554百万円増の24,893百万円となった。これは主に、新たに販売用不動産を取得したこと、ホテル開発用地の取得やホテル着工に伴い仕掛販売用不動産が増加したことなどにより、流動資産が増加したためである。一方、負債合計も同3.7倍に拡大し、同11,121百万円増の15,213百万円となった。これは主に、金融機関からのノンリコースローンによるものである。また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い、純資産合計は同1.3倍に増加し、同2,433百万円増の9,679百万円となった。うち、自己資本も同1.4倍と着実に積み上がり、同2,329百万円増の8,671百万円となった。

資産急増の結果、自己資本比率は前期末比21.1ポイント低下の34.8%となったが、2019年度東証1部不動産業平均の31.1%を上回っており、十分な安全性を確保しているといえる。さらに、同社では、ノンリコースローン114億円に対し、リコースローンは28億円にとどまり、リコースローンを超える手元現預金43億円を確保している。また、ROEは32.3%、ROAも20.6%と、東証1部不動産業平均の8.8%、4.4%を大きく上回り、同社の収益性も極めて高いと評価できる。

2020年3月期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末比1,908百万円増の4,288百万円となった。各キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動による資金の減少8,916百万円(前期は1,326百万円の増加)となった。これは主に税金等調整前当期純利益の増加の一方、販売用不動産や仕掛販売用不動産の増加などによる。投資活動による資金の減少1,980百万円の支出(同4,938百万円の増加)となった。これは主に、その他の関係会社有価証券の売却に伴う支出による。また、財務活動による資金の増加は12,806百万円(同5,187百万円の減少)となった。これは主に、金融機関から借入れたことによるものである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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