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日経平均は3日続伸、ソフトバンク1銘柄で119円押上げ  9月14日12時13分

 日経平均は3日続伸。173.69円高の23580.18円(出来高概算5億6707万株)で前場の取引を終えている。前週末11日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は131.06ドル高の27665.64ドル、ナスダックは66.05ポイント安の10853.55ポイントで取引を終了した。値ごろ感から買いが先行したものの、主要ハイテク銘柄の利益確定売りに押され一時下落に転じた。その後は、引けにかけて再び緩やかに上昇する展開となった。ただし、ナスダック総合指数は下落となった。

 米国株式市場を受けた今日の東京株式市場は、買い優勢の展開となった。英アストラゼネカが新型コロナワクチンの臨床試験(治験)を英国で再開したと発表したことなどを受け、経済活動の正常化への期待が高まり、また、新政権の政策への期待感などが買い手掛かり要因となった。ソフトバンクG<9984>が大幅高となり、1銘柄で日経平均を119円ほど押し上げた。

 個別では、第1四半期連結営業利益が前年同期比85.3%増となったフリービット<3843>、21年1月期連結営業利益が前期比2.5倍予想と発表した石井表記<6336>がストップ高買い気配となり、第1四半期連結営業利益が前年同期比2.2倍となったヤーマン<6630>、21年1月期上半期(中間期)連結営業利益が7.26億円と第1四半期の1.47億円から伸長した三井ハイテック<6966>が10%を超す大幅高となり、また、エヌビディア株の保有見通しに加え英FT電子版がMBO計画を再考と報じたと伝わりTOBプレミアムを意識する流れとなったソフトバンクGが10%近い上昇となった。

 一方、第3四半期の3か月間のみの連結営業利益が前年同期比9.9%減となったプロレド・パートナーズ<7034>、21年7月期営業利益が30.4%減予想と発表したシルバーライフ<9262>が10%を超す大幅安となり、菅官房長官が電波利用料の引き上げにも言及し収益圧迫が懸念されたNTTドコモ<9437>、KDDI<9433>が下げた

 セクターでは、パルプ・紙、非鉄金属、空運業、保険業、金属製品などが値上がり率上位。一方、海運業、その他金融業が値下がりした。東証1部の値上がり銘柄は全体の74%、対して値下がり銘柄は22%となっている。

 市場ではバリュー株(割安株)かグロース株(成長株)かの議論が続いている。先行き経済への楽観論から景気敏感色の強いバリュー株が有利とする見解と、景気低迷でも利益成長が見込めるグロース株が有利とする見方が対立している。このことに関し、株式市場を少し離れて考えてみる。

 この夏、金(ゴールド)価格が大きく上昇した。商品先物市場で3月には一時1グラム当たり5000円を割り込んだ金先物(期先)だが、上昇に転じた後は史上最高値を更新し、8月初旬には7000円を上回る場面があった。その後は概ね6000円台後半でもみ合いとなっている。

 商品先物市場では白金(プラチナ)も取引されている。白金も金同様、3月に2000円を割り込み安値を付けた後、8月初旬に3300円台まで上昇した。しかし1月に付けた3600円台には届かず、その後は金同様、やや伸び悩んだ水準で揉み合いとなっている。

 金と白金は同じ貴金属だが、その価格決定要因は大いに異なる。それぞれの価格決定要因は無数にあるが、ごくごく簡単に言うと、金は「安全資産」とも呼ばれるように、先行き経済に警戒感が高まると資金が集まり価格が上昇する性質がある。一方、白金は現物が主に自動車排気ガス用触媒など工業用に使われるため、先行き経済に楽観的な見方が広がる場面で価格が上昇する性格がある。

 金価格と白金価格を比較すると、ここまでは史上最高値を更新した金に分があるようだ。貴金属市場は先行き経済をやや悲観的にみてきたということかもしれない。これを株式市場に当てはめると、グロース株有利ということになる。しかし、白金も3月以降の上昇率は金に引けを取らない。景気回復期待も強いことがうかがえる。このことはバリュー株上昇に重なる。直近は金、白金とも高値からやや伸び悩んだ水準で揉み合う展開となっており、次の波動を探っているように見える。株式市場ではバリュー株かグロース株かの議論が続いているが、貴金属先物市場も景気先行きに判断が付きかねているようだ。

 もちろん、前述したように、金や白金の価格決定要因は多岐に及び、決めつけは禁物だが、貴金属先物市場での次の主役が金なのか白金なのか。株式市場や銘柄選択にも大いに関わることになるかもしれず、少し目配りする必要があるかもしれない。

 さて、後場の東京株式市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。自民党は今日午後行われる両院議員総会で新総裁を選出する。新政権の政策への期待感などが株価下支え要因となり、また、米アップルが15日に開催予定のオンラインイベントを先取りする動きが強まる可能性もある。さらに、ダウ平均先物や香港ハンセン指数、上海総合指数などが底堅く推移していることも東京市場の安心感となりそうだ。


<AK>

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