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ドラフト Research Memo(6):BIMの活用など、先進的なデジタルテクノロジーへの取り組み 10月26日15時06分

■事業概要

4. ドラフト<5070>のデジタルテクノロジーへの取り組み
同社は、「デザイン×技術」を急成長の原動力としている。同社のデジタルテクノロジーへの取り組みとして、前述した3DイメージパースやBIM、RPA、3Dレーザースキャナーなどが挙げられる。テクノロジーの活用は、効率化のためだけでなく、アウトプットの質向上も目的としている。

(1) BIM(Building Information Modeling)
BIMは、建築業界の新たなスタンダードになると目されており、同社は同テクノロジーを駆使した建築手法の開発に余念がない。BIMは、一般には建築物を構成する材料や設備機器等の各種情報(製品情報、位置情報、価格情報等)を建築物の3次元モデルに紐付けて管理し、これを建築設計、施工、維持管理といったあらゆる工程で活用する仕組みを指し、建築物の質の向上や業務効率化に大きく貢献するものと期待されている。従来の設計業務では、平面図等の図面関係資料と3D画像等はそれぞれ独立したデータとして個別に作成する必要があった。一方、BIMを活用した設計では、一元的に管理された詳細な設計情報から様々な図面やパースを容易に作成できる等、特に設計業務の効率化に大きな効果がある。

(2) RPA(Robotic Process Automation)
RPAは、定型的作業をルールエンジンやAI等の技術を備えたソフトウエアのロボットに代行させる概念を指す。同社は、BIMとRPAを組み合わせることで、面積の測定から素材の数量を自動算出し、見積り作成までを行う仕組みを構築した。これにより、見積りの制作時間を100分の1に短縮するだけでなく、データの正確性向上にも成功している。

(3) 3Dレーザースキャナー
同社が導入している3Dレーザースキャナーを利用する3D測定技術は、屋内・屋外を問わず、短時間で正確な3D点群データの取得が可能だ。同社が採用したFARO製の3Dスキャナーは、最大150mまで誤差1mmの範囲内でデータが測れ、複雑な構造物の現地調査、室内の照明器具や換気装置の位置など設計に不可欠な情報を正確に採ることができる。歴史的建造物など設計図面が入手できない建築の改修時にも活用されており、3Dスキャナー、BIMと連携させ、さらにD-RAWRITEが持つ高いモデリング技術を組み合わせることで、複雑な3次元モデルのレンダリングも可能になる。

5. 季節要因と決算期の変更
同社は、2020年3月期まで3月末までの1年間を決算期としていた。同社の主要事業であるオフィスなどの設計デザイン並びに都市開発事業は、官公庁並びに大半の企業が3月を期末とすることから、第2四半期(7月-9月期)と第4四半期(1月-3月期)に売上高計上が集中する季節的な傾向がある。第4四半期が通期売上高に占める割合は、2019年3月期が36.5%、2020年3月期が46.4%であった。販管費は固定費として各四半期で比較的均等に発生するため、売上高が季節的に小さくなる第1四半期(4月-6月期)及び第3四半期(10月-12月期)は、収支見合いもしくは赤字に陥った。第4四半期の通期営業利益に対する割合は、2019年3月期が68.9%、2020年3月期が86.9%であった。第4四半期への利益偏重は、期初・期中の業績把握を困難としていた。そのため、決算期末を12月に変更することとし、2020年12月期は9ヶ月間の変則決算となる。企画・設計などを行う上場企業の決算期末は、乃村工藝社<9716>が2月期、丹青社<9743>が1月期である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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