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「習近平主席の国賓招聘」の是非とは—遠藤誉氏VS田原総一朗氏【Book】  2月17日17時14分

中国から発生した新型コロナウィルスの感染が世界的に広がりつつある中で、日本はもう一つの「中国問題」に直面している。それは2020年4月に控えた「習近平国家主席の国賓招聘」の是非だ。

19年10月の所信表明演説で、安倍首相は「日中関係が完全に正常な軌道に戻った」との認識を示した上で、「来年の桜の咲くころに、習近平国家主席を国賓としてお迎えし、日中関係を新たな段階に押し上げていく」と宣言した。

この方針に賛成の意を表明するジャーナリストの田原総一朗氏と、断固反対の立場を主張する中国問題グローバル研究所所長の遠藤誉氏による共著『激突! 遠藤vs田原 日中と習近平国賓』が、このたび実業之日本社から緊急出版された。

同書は“共著”ではあるが、巷間に溢れる予定調和の対談本とは一線を画し、激論に次ぐ激論が繰り広げられ、読み手はハラハラさせられる。

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【2章】
遠藤:習近平を国賓として招聘することは、国際社会に如何なるシグナルを発することになるか考えていただきたい。中国共産党のやり方(言論統制やウイグル・チベット族の人権弾圧等)を肯定し、賛成していると表明しているのと同じです。
田原:いったい何が悪いんですか。大変結構じゃないですか。中国と友好・交流を深めることは日本の国益、未来の国の発展のためにも欠くことができない重要事項、いわば切っても切れない関係です。……

【4章】
田原:中国の民主化については、私は遠藤さんと意見が全く異なります。中国はもっと豊かになれば必ず民主化しますよ。
遠藤:中国を「豊かになれば民主化する国である」などと考えるのは、中国の何たるかを理解していない人が言うことです。……
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遠藤氏によると、中国の国家成長のきっかけをつくったのは日本であり、それこそが現在の中国共産党一党独裁体制を盤石にさせたという。

ターニングポイントとなったのは1992年。
1989年の天安門事件後、西側各国は中国に意を唱える形で経済封鎖を行ったが、日本政府は各国に先駆けてそれを解除し、1991年には円借款を再開、さらに翌1992年10月に中国の要請に応じて現在の上皇陛下の訪中を断行した。

これを契機に西側各国は一斉に経済封鎖を解き、世界最大の人口を誇る中国マーケットへ競うように投資を行い、結果として中国の経済発展を後押しする形となったという。

いま、中国政府は香港デモやウイグル・チベット族への弾圧、言論統制に対する国際批判が相次ぎ、さらに台湾の民主派の圧勝、大問題になっているコロナウィルスへの対応など、天安門事件後に匹敵するほどの大きな局面を迎えていると見る識者も多い。

その中で、日本は習近平を国賓として招き、再び中国に手を差し伸べるのか。
それとも見送るのか。
その決断が日本はもちろん、世界の動向に大きな影響を与える可能性があるだろう。

『激突! 遠藤vs田原 日中と習近平国賓』 遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)・田原総一朗(ジャーナリスト)著 本体価格1,600円+税 実業之日本社




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