株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

コロナ禍は人災(2)【中国問題グローバル研究所】  3月11日15時36分

【中国問題グローバル研究所】は、中国の国際関係や経済などの現状、今後の動向について研究するグローバルシンクタンク。中国研究の第一人者である筑波大学名誉教授の遠藤 誉所長を中心として、トランプ政権の ”Committee on the Present Danger: China” の創設メンバーであるアーサー・ウォルドロン教授、北京郵電大学の孫 啓明教授、アナリストのフレイザー・ハウイー氏などが研究員として在籍している。関係各国から研究員を募り、中国問題を調査分析してひとつのプラットフォームを形成。考察をオンライン上のホームページ「中国問題グローバル研究所」(※1)にて配信している。

◇以下、遠藤 誉所長の考察「コロナ禍は人災(1)【中国問題グローバル研究所】』の続きとなる。

———

◆日中首脳は「同じ穴の狢(むじな)」か
習近平は初動の失態をカバーすべく、2月7日に李文亮医師が亡くなってからは、「コロナ防疫対策は、全てこの私が主導してきた」と異様なまでに強調するようになった。

中国共産党の管轄下にある中央テレビ局CCTVも、声を張り上げて「偉大なる習近平国家主席の主導の下に、全人民は防疫戦役に立ち向かっている!」と繰り返している。初動の遅れを取り戻そうと、「この私が」に必死なのである
武漢市書記に新しく就任した王忠林等は3月6日、「武漢市民はみな『恩を感じる教育』を展開しなければならず、習近平総書記に感謝し、共産党に感謝し、党の言うことを聞き、党と共に歩み、強大なエネルギーを発揮していかなければならない」と述べた。

これに対して多くのネット民が激しい批判のコメント書き込んだので、一瞬で元の情報は削除された。しかし中国大陸以外の中文情報がそれを捕えているので、たとえばこちら(※2)から見ることができる。

安倍首相が初動の失態を埋めようと、ここのところ「この私が」主導力をアピールするための思いつき指示を次から次へと出しているが、両者とも同じ穴の狢と見えてくる。

同日、中国政府は1月と2月の輸出が前年同期の17.2%減であると発表したが、日本も「第二の武漢」同様、後を追うことになるのではないだろうか。

◆実体経済だけでなく金融においても
シンクタンク中国問題グローバル研究所の理事の一人である白井 一成氏は、投資家でもあるため金融に関して詳しい。3月3日、特別寄稿として「新型コロナウイルスと経済の関係」(※3)を投稿してくれた。その中で彼は以下のように書いている。

——各国は、傷ついた企業に救急的な融資を実行するだろうが、これは、資金繰りを利益でなく借り入れで繋ぐということである。問題の先送りである。各企業は、売り上げが減少するなかで借入比率を高めることとなり、結果として金融危機への負のエネルギーを蓄積することになる。(中略) 実体経済が縮小するなか、高水準のレバレッジ比率が引き金となり、最終的にはリーマンショックのような大きな流動性危機が発生する可能性がある。

その上で筆者に「足元の経済状態から、世の中は、流動性危機(資金蒸発と金融機関破綻)が発生するシナリオに向かいはじめた可能性が高い」と忠告してきた。

白井氏はまた、以下のような見解も述べている。
——現時点において、各国中央銀行に状況を好転させるだけの手立てはあまり残っていない。各国政府の素早く大規模な財政出動が望まれるが、数カ国を除き、そのような賢明な判断がなされないのではないかと危惧している。予防的で大胆な政治判断は、強力なリーダーシップがないと難しいからだ。コロナウイルス拡大に伴う世界的景気減速の責任の一端は、日本政府を含めた初動を誤った複数の国家にあった。ウイルスが世界的に広まってしまった以上、世間の注目は感染の拡大防止から経済対策に移る。安倍政権には、リーダーシップを発揮し流動性危機の発生を食い止めてほしいと切に願う。

実に示唆的な見解だ。第二の失敗を食い止めるためにも、この声が安倍政権および全ての国会議員に届くことを祈ってやまない。

(本論はYahooニュース個人からの転載である)

写真:ロイター/アフロ

※1:https://grici.or.jp/
※2:http://www.rfi.fr/cn/%E4%B8%AD%E5%9B%BD/20200307-%E7%96%91%E4%B8%BA%E8%BF%8E%E6%8E%A5%E4%B9%A0%E8%BF%91%E5%B9%B3%E6%8A%B5%E8%AE%BF%E6%AD%A6%E6%B1%89-%E6%96%B0%E5%B8%82%E5%A7%94%E4%B9%A6%E8%AE%B0%E6%8F%90%E6%84%9F%E6%81%A9%E6%95%99%E8%82%B2%E6%84%9F%E6%81%A9%E4%B9%A0%E8%BF%91%E5%B9%B3-%E7%BD%91%E7%BB%9C%E5%8F%8D%E8%80%8C%E7%82%B8%E9%94%85
※3:https://grici.or.jp/986



<SI>

 Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »