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日経平均は5日ぶりに反落、朝高後に失速、期待だけは21000円は遠いか  5月21日12時22分

 日経平均は5日ぶりに反落。11.20円安の20583.95円(出来高概算5億9302万株)で前場の取引を終えている。

 20日の米株式市場では主要3指数揃って大きく上昇。大手小売各社の好調な決算発表を受けて上昇して寄り付いた。全米50州で一部経済活動について規制の緩和や再開が発表されたほか、4月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、連銀が追加緩和に前向きである方針が確認され、引けにかけても堅調推移となった。とりわけ、金融緩和継続姿勢を好感してナスダック、SOX指数などハイテク株の上昇が目立った。これを受けて、日経平均も5日続伸してのスタートとなり、一時は20734.91円まで上伸し、コロナショック後の戻り高値を更新した。ただ、新規材料に欠けるところもあり、寄り付き直後に高値を付けた後は失速、じりじりと上げ幅を縮小していった後は前引け間際に前日比でマイナスに転じる展開となった。

 個別では、21年3月期は市場予想を上回る大幅な減益見通しを発表した島津製作所<7701>が3%近く下げ、新型コロナウイルスによる業績へのプラス効果は限定的として国内証券による格下げ観測のあったGMOPG<3769>も3%近い下げとなった。一方、21年3月期増益見通しおよび増配計画、自社株買いなどが評価されたSOMPO<8630>は7%近く上昇した。また、新型コロナウイルスに対する新規ワクチン開発が、AMED公募事業に採択されたと前日に発表したアイロムG<2372>は20%を超える大幅高を演じ、21年3月期は減益見遠しながらも、1-3月期の増益転換および自社株買いが評価された太平洋セメント<5233>も12%を超える上昇となった。

 セクターでは、建設業を筆頭に水産・農林業、陸運業、ゴム製品などが下落率上位だった一方、石油・石炭、鉱業、海運業、ガラス・土石製品、鉄鋼などが上昇率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は全体の38%、対して値下がり銘柄は57%となっている。

 日経平均は寄り付き直後に20700円を突破した後は失速し、下落に転じるという上値の重さを確認する形となった。テクニカル的には、緩やかな上向きをキープする5日線と25日線に沿った上昇基調を継続し、下値では25日線がサポートする安心感を与えてくれるチャート形状になっている。また、日足のローソク足では既に昨日から75日線の突破を達成している。テクニカルだけでみれば、本日は戻り相場のなかの調整日といえる。

 ただ、やはり日経平均はここから先は21000円を上限にした下値警戒寄りのレンジ相場を予想した方が良いと考える。ここまでの上昇基調の最大の背景としては「新規感染者数の増大ペース鈍化→経済活動再開期待の高まり→企業業績底打ちの期待」という図式が成り立っていたからこその、まさしく「期待」に基づく「先取り相場」だった。だからこそ、過去最悪の経済指標が相次いだり、業績見通しを示さない企業が過半を占めたりと悪材料が続出しても、あく抜け感としてむしろポジティブに捉えられて株価は上がってきた。

 しかし、いつまでも「期待」だけで上昇基調を続けることは難しいだろう。この先は、これまで期待してきたシナリオがそのまましっかりと実現するのかを「現実」を見極める局面に入るとみている。ただ、一方で、異例の大規模金融緩和政策や財政支出という各国による躊躇ない下支え要因が存在するのも確かで、過去最大規模にまで積み上がってきているネットの裁定売り残解消による売り方の買い戻しという動きもある。そのため下値も堅いのだろう。そのため、この先はレンジ相場になり、大型株や指数はこう着感を強めるだろう。

 だからこそ、投資家による選別物色が進んでおり、上げ続ける銘柄とそうでない銘柄にはっきりと勝敗が分かれている。マザーズ指数が年初来高値を更新して中小型株優位の展開が続いているのにはそうした背景があるのだろう。また、大型株の中でも他とは一線を画して相対的に好調な半導体関連にも同じことがいえるだろう。つまり、全体がレンジ相場でこう着感を強めるなか、この先は今まで上昇してきた人気銘柄がこのまま上げ続ける可能性が高い。銘柄ごとの勝敗がよりはっきりとしてくる相場展開を予想する。こうした中、投資家には足元好調な銘柄に追随する投資戦略を推奨する。
(仲村幸浩)


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