株式・投資信託・ETF・退職・年金 投資に役立つ「ケイゾンマネー」

第11回 業績はどこを見ればいいの? - はじめての株式物語

はじめての株式物語

 

企業業績は「損益計算書」を見れば一目瞭然です。このうち、「売上高」、「営業利益」、「経常利益」、「純利益」に注目しましょう。

カブ男くん

今日はFK商事の社員研修です。株主総会も無事に乗り切り、カブ男くんは従業員を前に、今期決算の状況を説明しているところです。
「今期、弊社の売上高は前期比で10%増。純利益は5%増の増収増益になりました。この調子で来期も頑張りましょう」。
FX商事はこの3期ほど、堅調に増収増益を続けています。

昨年、入社したばかりの新人社員が、カブ男くんに質問をしました。
「社長、私まだ業績の見方があまり良く分からないのですが、何をどう見れば良いのでしょうか」
「会社にとって大事なのは売上高。まずここが増えていないと、増益も見込めなくなる。売上高が減っていても、人件費や販売促進費などを削減して利益を増やすことは出来るんだけど、それは経営的に無理をしていることになるから、結局、いつかは利益も上がりにくくなる。だから売上が前期比できちっと伸びているかどうかは、とても大事なことなんだ」。
「純利益って何ですか」。
「今回の決算で、この会社に残った正味の利益だね。売上高から人件費、販売管理費など、いろいろな経費や損失を差し引いて残った利益から法人税を引くと、純利益になるんだ。株主の皆さんに支払う配当金は、この純利益の一部が充てられるんだよ」。

ひとことで「利益」といっても、「営業利益」、「経常利益」、「純利益」というように、いくつかの種類があります。売上高から売上原価、人件費、販売管理費を差し引いた残りが「営業利益」。営業利益から、その会社の本業以外の活動で経常的に生じる損益を加味したのが「経常利益」になります。本業以外の活動で経常的に生じる損益というのは、たとえば受取利息の受け払い、為替差損益などを指します。

次に、経常利益から特別損益を足して、利益が残ったらそこに法人税を加味します。こうして残った正味の利益が「純利益」です。ちなみに特別損益というのは、経常的に生じる損益のことではなく、臨時的に生じた損益のことです。たとえば、保有している不動産を売却して生じた損益、事故や災害で被った損失などが、これに該当します。

「複雑で分かりにくいですね」と新人くん。
「こう考えてごらん。本業の強さを知るには営業利益を見る。でも、会社は本業以外にもさまざまな収入、支出があるので、それらを含めて会社のトータルの収益力を把握するには経常利益をチェックする。そして最後に、どれだけの利益が残ったのかを把握するには純利益を見る。まあ、でも本業が弱くなったら会社の成長も止まってしまうから、大事なのは営業利益の伸びってことだね」。

損益計算書に加え、企業経営の健全性を見るには、キャッシュフローも重要です。キャッシュフローとは、企業の現金の流れを把握するためのもので、「営業キャッシュフロー」、「投資キャッシュフロー」、「財務キャッシュフロー」の3つに分かれます。
普通、営業キャッシュフローがプラスであれば、本業でしっかり稼いでいることになりますし、投資キャッシュフローは設備投資などを行うのが普通なので、基本的にマイナスになります。また財務キャッシュフローがプラスの時は、借入などによってお金が流入していることを意味しますから、借入金が増えているかどうかを、貸借対照表でチェックする必要があります。もちろん、借入金が大幅に増えている場合は、財務的に要注意と考えてください。

   
    

特集

「証券アナリストの調査手法とこだわり」(全6回)

「証券アナリストの調査手法とこだわり」

証券アナリストの行動パターンをご紹介!個人投資家のリスク回避術を学ぼう。

特集を読む »

おもしろ企業探検隊

おもしろ企業探検隊

平林亮子&内田まさみの「そうだ!社長に会いに行こう」ナブテスコ株式会社

特集を読む »